歌口を創る♪
歌口は、「節から歌口」と「歌口から切り口」とのバランスで場所が決まるが、竹の節辺りの内部構造が複雑な為(特に女竹)、リシは残念ながら計算法を確立出来無かった。しかし指孔に比べ他の要素との連携等はあまり無いので、竹格に応じて節等からの距離だけでイケルと思う。節をストップに活用し無い場合は容易に切り口や人工のストップから計算可能と思われるので、節を捨ててしまう人は計算化にチャレンジして見て欲しい!
重要なのは歌口の「節からの距離」と「大きさ」で、吹き心地、音色、高低音のバランス、高中低音のそれぞれの基音の音程が全てココで決まる。歌口が出来て吹いて見た時点で、良い笛に成るかドウカは既に決まって居るのだ。
因みに竹自体が長い程「節からの距離」も遠退き、竹が太いほど同じ位置では大きく成るヨ!
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吹き心地は個人の口の大きさや息の強さ(肺活量)に大きく左右されると思われ、口や息の大きい程、歌口も大きさが要求されるとリシは考えて居るが、如何せん上手い笛吹きはソウソウ居らんので比較検討がカナリ難しい。リシは竹が太くて歌口がデカク無いと直ぐに音が裏返ったりして吹き辛くて仕様が無いが、それはリシの肺が並外れてデカイ事に起因すると思われる。よってノーマルなリシ笛は体力を要求して豪快に鳴る典型的な「男笛」だったりする。と言う事は口が小さくて肺も小さければ、竹が細く歌口も小さい方が良いと思われるが定かでは無い。でもリシの知り合いの女流の笛吹き(カオン)は確かにカナリ細くて歌口も小さい笛を好んで居る。でもカオンは声デカイし肺もデカイ様な気がスルが、マア取り敢えずは自分に合った納得できる歌口を創ってクレ!
音色は竹の太さ(一応厚さも)と歌口の大きさのバランスで、基本的には太ければ太い音色細ければ細く、大きければ開放的な音色小さければコモり、例えば太くて厚くて小さければカナリ籠もってリコーダーの様な音色に成る。
歌口が大きければ歌口の角自体が鋭角に成り、竹格も実質的に細り、高音の発音に有利。大きく成り過ぎれば低音はカスレたり出難くなったりする。小さければ鈍角に竹格も太く、低音が豊かに出易く成るが、小さ過ぎると演奏全般が困難に成る。
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そしてオクターブの決定、笛造りではココが最重要か? 口では解り難いので図で説明してミル。
1が良い例とスルと、2はコノ位置では小さ過ぎて結果、基音同士が離れ過ぎる(オクターブより遠い)。3は逆に大き過ぎて基音が近過ぎる。2は4の様に大きく、3は5の様に小さくすればオクターブが取れる。
ただ竹の横笛は高中低音を全てピッタリに揃えるのは難しい(と言うかホボ不可能)、3音揃える為には竹が完全に平行管だったり、節抜き等で管の中程の内部を削ったりして調節しなければナラナイ。リシは普通は最低音はワザと少し下にハズして、中高音の基音だけをピッタリに揃えて居る。最低音は元々出難いので、カッって強く吹けば音程もほぼ修正され、音も大きく成って丁度良い。中高は合って無いとカナリ演奏し辛いので、苦心して良~く合わせると最終的な完成度に大きく貢献する。 |
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中音の基音を6孔開とするなら!! 困った事に全閉よりも6孔開の方がやや音程が高いンで、前もって中基音を低くしとくとか、6孔を開けつつアジャストするとかの工夫が必要。リシは少し低くしとくヨ!後者はホボ無理ダ~。
音の高さは温度でカナリ!!変わる! 1度で5セントも変わるンで、出来ればピッタリ24°にして測った方がイイよ~。他の楽器と合わせるンで無ければカッチリ合わせる必要も無いけど、決まった音の高さで造るとホボ同じ長さになるンで(指孔の)計算はズットし易いッテ、ああ!!じゃ音程は関係無く長さがチョウド同じなら1番便利か!!今初めて気付いた!!ゲラゲラ!!!!
枝や枝の芽(邦楽界では「蝉」と呼ぶ、粋だネ~!!)に沿っては非常に割れ易いンで、決してドンナ孔をも開け無い様に!! 特に歌口は近いんでトットと割れてしまうヨ~!
楕円の竹は深い方に(縦長の頂点に)歌口を開けた方が音がイイ、浅く開けるとやたらカスカスしちゃうヨ~。説明し辛いンで図を参照←!! 蝉ンとこが厚いんで、息の当たる向こう側にするとやや吹き難いケド、コッチ側にすると口が当て辛いンでやっぱり吹き辛いノヨ~。楕円に垂直に付いててド~仕様も無い時は口当たりが気になるんで、リシは向こう側にしてるけど、斜めの時は手前の斜め下に来る様にしてる。真下でも良いが、余り蝉が厚いと図のカスれる場合と同じ構造になってシマイ、ヤハリ良い音はし無い。あんまり溝の窪んでル奴は習作用にした方が無難カモ。
読んでるダケだと小難しいかも知れないけど、実際に何本か造って見れば「ナールホド!」と解るでアロウ! 知識や熟考も必要だけど、兎に角数造って「笛の常識」を日常の常識と同様に体得するコトが大事かな? 飯の喰い方や風呂の入り方と同じく笛の幾つかのルールにも馴れ親しめば、ルール同士を効率的に組み合わせたり、逆手を取ってルール自体を利用したり!!(巴投げじゃ~!!ゲラゲラゲラ!!!!)更に音世界の高みが見えて来てドンドンと笛と自分自身の感覚や美意識をも磨き高めて行ける!!!!楽しいヨ~ッ!!
リシ笛を造る!
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