絵本のほか、光村図書出版の小学2年生の国語の教科書(下巻)に掲載されている「スーホの白い馬」。モンゴルの草原を舞台に少年と白い馬の絆が描かれた物語は、結末があまりにも悲しく切ないため、授業中に泣いてしまうお子さんもいるほどです。
そんな「スーホの白い馬」を、ある小学2年生の女の子が新しい物語に生まれ変わらせました。その斬新な内容に「発想が天才!」「面白すぎる」と、投稿されたツイートが8.7万を超えるいいねがつくなど話題になっています。
「スーホの白い馬2022」
お話は、お母さんで投稿者の「swenbay(@michaelsenbay)」さんとのやり取りで進みます。
我が子「国語の『スーホの白い馬』が可哀想で、新しい物語を作った。聞いて」
私「ほう」
我が子「スーホの白い馬2022」
私「現代版来た」
我が子「スーホはチャンネル登録者数100万人超えの馬頭琴系ユーチューバーでした。スーホはある日、捨てられていた白猫を拾いました」
私「馬は???????」
我が子「スーホは白猫を大切に育てました。お風呂に入れてノミ取りをして、草も用意して、トイレも爪とぎも教えました。白猫は段々と大きくなりました。スーホは気付きました。白猫は白猫ではなく、白い虎だったのです」
私「虎」
我が子「ある日、白い虎を絨毯にしようと、悪い王様がやってきました」
我が子「スーホは白い虎に乗って逃げました。王様は鉄砲で虎を撃とうとしました」
私「虎……!!」
我が子「その時、王様をやっつける人がやって来ました。それは白馬に乗ったお姫様だったのです」
私「ヒエッ、強いお姫様が白馬に乗ってきた」
我が子「お姫様はスーホと白い虎を助けました」
我が子「スーホとお姫様はカップル系ユーチューバーとして人気になり、白い虎と白い馬は幸せに暮らしました。悪い王様は炎上して貧乏になりました。おしまい」
私「炎上とか今っぽかった」
「スーホの白い馬」で笑顔に?
引き込まれるお話と、あちこちに散りばめられた現代的な感覚にリプ欄には、
「声出して笑いました素敵な物語をありがとうございます」
「馬頭琴系YouTuberでもうダメでした」
「笑わせていただきました猫がシャミセンにされなくて良かったです」
「手に汗握るハラハラ展開からの、戦うプリンセスからの、馬虎&姫スーホのダブルカップルで素敵な最後でした…」
「発想が天才すぎてスタンディングオベーション」
「白い馬1号加工済みやないか」
「スーホ、可哀想でつらくて悲しかった幼少期の私の心が慰められました…✨ お子さんにありがとう言いたいです✨✨」
「お姫様が白馬に乗って男の子を助けてもいいって辺りに現代的なジェンダー観の多様性を感じさせますね!」
というコメントが集まり、多くの人を笑顔にしています。
お話を作った娘さんについて聞きました
──娘さんとは以前から「スーホの白い馬」が可哀想という話をされていたのですか?
我が子が「やばい、救いがないじゃん……可哀想」と嘆いており、家族で悲しいよね〜って話をしておりました。
──たしかに「救いがない」です…。娘さんは普段はどんなお子さんなのでしょうか?
真面目で何事にも一生懸命で優しい子だと思います。
──優しいからこそ救いのあるお話を作ったのですね。swenbayさんは小説を書かれていて、普段から寝る前にいろいろなお話を作って聞かせてあげているのですね。娘さんのスーホを聞いた時はどんな感想を?
起承転結がしっかりとしており、偉いなと思いました。
──娘さんは「スーホの白い馬2022」がツイッターで話題になっていることをご存知なのですか?
みなさんの反応に喜んでいます。「みんなもお話を考えればいいよ」と言っています。
◇ ◇
「スーホの白い馬2022」に魅せられた人たちからは、「モチモチの木2022と、ごんぎつね2022も読みたいです!」「スイミー2022希望w」「フランダースの犬2022をお願いします…ネロとパトラッシュの大勝利が見たいです。」と、ほかの作品の現代版を望む声が寄せられています。
実は、昨年8月にも「桃太郎」の創作昔話が話題になった娘さん。その時は、お話の途中で眠くなってしまって突如「みんな滅びる」で終わってしまったのですが(笑)。ほかにも、犬は死なずに、ここ掘れワンワンで掘り当てた財宝でおじいさんがみんなにカレーライスをご馳走する「花咲かない爺さん」という優しいお話を作ったことも。今後の作品に期待してしまいますね。