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🌈リシのスピ覚え書き⭐031✨
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コーヒーで「健康になる人」は遺伝子が違う!

カギを握るのはカフェイン代謝

コーヒーは健康にいいのか、悪いのか(撮影:今井康一)

コーヒーがなかったら、私のほとんどの仕事は完成を見なかっただろう。この記事もそうだ。

なにしろ朝、エスプレッソを1杯飲まないと、ちゃんと目が覚めない。コーヒーを飲むと体がシャキッとして、やる気が出て、ある意味でハイになる。それは私だけではないだろう。でも、これって体にいいのかなと、ちょっと不安になるときがあるのも事実だ。

コーヒーは体にいいのか、悪いのか、専門家の意見は一致しない。米国心臓協会(AHA)も、コーヒーと心疾患の関係については、相反する結論を示す研究があるという。

遺伝子が「カフェイン代謝」のスピードを決める

世界保健機関(WHO)は長年、コーヒーを発癌性がある「可能性のある」食品に分類していた。それが最近、コーヒーと癌の関連性を示す証拠は「不十分」であるとの認識を示した。

最新版の「米国人のための食生活ガイドライン」は、少量のコーヒー摂取は慢性病を減らすなど、健康にいい可能性があると指摘している。

なぜ、コーヒーの健康への影響については、専門家の分析でも相反する結果が生じるのか。その答えは遺伝子にあるらしい。

トロント大学のアフメド・エルソヘミ教授が、コーヒーの効用についての研究結果にばらつきがあることに気づいたのは、約10年前のこと。コーヒーを1杯飲んだだけで興奮する人もいれば、4杯飲んでも眠気が収まらない人がいるのはなぜなのか。

ひょっとするとコーヒーと心疾患の関係も、人によって違うのではないかと、エルソヘミは考えた。そこで目をつけたのが「CYP1A2」という遺伝子多型(シトクロムP450という遺伝子の塩基配列の1タイプ)だ。この遺伝子は、カフェインを分解するスピードを決める酵素(やはりCYP1A2と呼ばれる)に影響を与える。

肝臓にCYP1A2を持つ人は、カフェインを素早く代謝できる。両親それぞれから代謝のスピードが速い遺伝子多型を受け継いだ人(高活性型)は、代謝のスピードが遅い遺伝子多型を1つまたは2つ受け継いだ人(低活性型)よりも、カフェインの代謝が4倍速い。

エルソヘミの研究チームは、米国立衛生研究所(NIH)の助成を受け、成人4000人(うち約2000人は心筋梗塞の経験者)の遺伝子とカフェイン消費量の関係を調べた。その結果、1日4杯以上コーヒーを飲む人は、心筋梗塞を起こすリスクが36%上昇するらしいことがわかった。

しかし驚きの発見があったのは、その結果をカフェイン代謝の高活性型と低活性型にわけて見たときだ。コーヒーの大量摂取が心筋梗塞のリスク上昇につながるのは、低活性型の人だけだったのだ。

「被験者全体でリスクが上昇しているように見えたのは、実は低活性型の人における大幅なリスク上昇が原因だった」とエルソヘミは語る。

高活性型と低活性型に大きな違い

高活性型の反応は正反対だった。彼らが毎日コーヒーを1〜3杯飲むと、心筋梗塞のリスクは大幅に低下した。カフェイン代謝が速い人たちにとって、コーヒーを飲むのは「体にいい」のだ。

低活性型の人は、カフェインが分解されずに体内に残っている時間が長いから、心筋梗塞を引き起こすチャンスも長いのだと、エルソヘミは考えている。一方、高活性型の人は、カフェインが体内から早く排出されるから、抗酸化物質やポリフェノールなどコーヒーに含まれる健康にいい物質が(カフェインの副作用なしで)作用する。

最近の研究も、同様の結果を示しているようだ。イタリアの研究者チームが、カフェイン代謝の高活性型と低活性型あわせて553人の血圧を調べた。その結果、コーヒーと高血圧の関係も被験者の遺伝子によって変わることがわかった。

カフェイン代謝の低活性型が、コーヒーを大量(あるいはそこそこの量)飲むと、高血圧になる可能性が大幅に上昇した。逆に高活性型の人では、コーヒーの摂取量が増えると、高血圧のリスクが低下した。

それなら自分がカフェイン代謝の高活性型か低活性型か知りたい。最近は手頃な価格で検査してくれる遺伝子検査会社が増えているから、急いで調べてもらおう――そう思う読者もいるかもしれない。

だが、それは待ったほうがいいと、ノースウエスタン大学医科大学院のマリリン・コーネリス助教は考えている。彼女の研究によると、カフェイン代謝には多くの遺伝子が関係しており、1〜2個の遺伝子にだけ注目すると、あとでがっかりすることになりかねないというのだ。

「カフェインの代謝には明らかにほかにも遺伝的・環境的要因が関係している。既存の検査ではその要因が把握されていないだけだ」。

スポーツ選手に与える影響は

それでも、コーヒーと遺伝子の関係が明らかになるにつれて、新しい研究領域が生まれているのは事実だ。現在、コーヒーと乳癌や卵巣癌、2型糖尿病、さらにはパーキンソン病との関係が、CYP1A2などの遺伝子多型によって影響を受けるのかを調べる研究が進んでいる。

カフェインが運動に与える影響についても、新たな注目が集まっている。カフェインが運動能力を高めることは周知の事実だが、ジェームズ・マディソン大学のクリストファー・J・ウォマック教授(運動生理学)は、カフェインの代謝が速い選手が、持久力を要求される種目をすると、その恩恵はより大きくなると指摘する。

ウォマックの研究チームは2012年、カフェイン錠と偽薬を使って男性サイクリストに与える影響を調べた。カフェイン錠を摂取した選手にサイクリングマシンで40キロ走ってもらったところ、低活性型の選手は記録が1分縮み、高活性型の選手は4分も縮んだ。これはカフェイン錠が、高活性型の人の交感神経系(いわゆる攻撃・逃避反応をつかさどる部分)を活性化するからだと、ウォマックは考えている。

一方、ノースウエスタン大学のコーネリス助教らの研究チームは2015年、コーヒーを飲みたいと思わせる8つの遺伝子多型を特定した。このうち少なくとも2つは、カフェインの心理的な報酬効果と関係している。

コーヒーがないと1日が始まらないという人もいれば、いれたてのコーヒーにまったく魅力を感じない人がいるのは、こうした遺伝子のせいかもしれない。

(執筆:Anahad O’Connor記者、翻訳:藤原朝子)

© 2016 New York Times News Service


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2017 .11 .16
カフェインハラスメントに注意!
カフェインに弱い体質は遺伝的に決まっている

Basics /生化学


朝や仕事中の眠気覚ましにコーヒーを飲むことは、世界中で当たり前のように普及している文化の一つである。コーヒーの中に含まれる「カフェイン」に、私たちの脳を覚醒させるはたらきがあるのだ。

最近では、カフェやコンビニで、カフェインを抜いた「デカフェコーヒー」をよく見かけるようになった。カフェインをガンガン摂取したい人にとっては、デカフェコーヒーの存在意義はイマイチ分からないのではないだろうか。

しかし、お酒(アルコール)に弱い人がいるように、世の中にはカフェインに弱い人がいる。この記事では、カフェインに弱い人の症状や、カフェインに弱い体質の遺伝的な理由について述べる。「世の中にはこんな人もいるのか」程度に認知されると嬉しい。

カフェインで「つぶれる」人の症状

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お酒に強い人と弱い人がいることは、多くの人が知っていることだろう。お酒が強い人は水のようにお酒を飲んでもへっちゃらであるが、弱い人はカクテル一杯でも顔が赤くなり、人格が変わり、吐き気を催し、飲み会の終わりまでトイレに篭り続ける。

お酒に弱い人がお酒を飲むと、いわゆる「つぶれる」状態になることは、イメージがつきやすいだろう。実は、お酒と同じく嗜好品であるコーヒーやお茶にも、強い人と弱い人がいる。

強い人はいつどのタイミングで飲もうと何の影響もないかもしれないが、弱い人は、コーヒーやお茶に含まれるカフェインによって、こんな症状が起こりうる。

・飲んだあと、体に力が入らず震える
・動悸がする、ドキドキする
・頭が痛くなる、気持ち悪くなる
・吐き気を覚え、食欲がなくなる
・夜、目が冴えてしまい寝付けなくなる

こうした症状は周囲からは目につきにくく、お酒に弱い人と比べて、周りの人に伝わりにくいものである。カフェインに強い人にとっては、意味がわからず共感できなくても当然である。

しかし、カフェインに弱い人にとって、ミーティングの時に当然のように出されるコーヒーや紅茶は地味に地雷となる。営業スマイルやポーカーフェイスの裏に、「出されたものを飲まないのは悪いが、飲めない…」と静かな葛藤を隠している人もいるのではないだろうか。

カフェインに弱い人は分解スピードが遅い

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カフェインに弱いのは「神経質な性格で過敏に反応しているだけ」などと、精神論的なものではないかと感じる人もいるかもしれない。しかし、お酒に弱い人には、「肝臓でアルコールを分解する酵素の能力が弱い」という遺伝的な理由があるように、カフェインに弱い人にも遺伝的な理由があるのだ。

一般的に、カフェインが体の中ではたらく時間は、飲んでから30分〜5時間であると言われている。5時間経ったころには、体の中ではカフェインの半分以上が分解され、尿とともに排泄されるのである。

このとき、カフェインの分解を行うのは、肝臓の中にある「CYP1A2」という酵素だ。カフェインの8〜9割は、このCYP1A2によって分解されることが分かっている。

実は、このCYP1A2には遺伝的に3種類あることが知られている。CYP1A2は、細胞の中の遺伝子を元に体内で合成されるが、CYP1A2の遺伝子の一部の配列には3パターンがある。

遺伝子の情報は、A・T・C・Gの4文字が並ぶことで記述されているが、CYP1A2遺伝子の中の「イントロン1の734位」という場所のAという文字が、Cに置き換わっている人がいる。AがCに置き換わるというたった1文字の違いによって、代謝速度が遅いCYP1A2となってしまう。

この部位の文字の並びには「AA」「AC」「CC」の3種類があり、代謝速度はAA>AC>CCの順で速い。カフェインの代謝が遅くなると、カフェインが体の中で長く強力に作用することにつながり、先に述べた症状に発展しうる。

カフェインに強い人は「AA」の遺伝子、弱い人は「CC」の遺伝子を持っている可能性があるのだ。

of2(1)カフェインに弱い人の一例として、筆者の場合は、これまでの経験から、就寝の12時間前までしかカフェインを摂れない。夜の24時に寝たい場合は、昼の12時がリミットである。13時に飲んでしまったら、25時まで顕著に眠れなくなる。アホらしいかもしれないが、実際に困っている。

コーヒーや紅茶はスイーツのお供としても最高であるが、おやつタイムにコーヒーや紅茶を飲みたい場合は、デカフェにしなければならない。他にも、上質なお抹茶などを飲むとしばらく体が震えて、電車で立っているのが辛くなったりすることもある。

今では、お酒に弱い人にはお酒を強要しないようにする動きが強まってきており、「アルコールハラスメント」の有害性についても理解が深まってきているように思う。同様に、その場の空気で口をつけざるを得ないようなコーヒーや紅茶も、場合によっては「カフェインハラスメント」につながる可能性もある。

普段目立たない”遺伝的にカフェインに弱い人”の存在が少しずつ認知されていくことや、カフェインに弱い人でもスイーツとコーヒー・紅茶が楽しめる場所が増えていくことを願いつつ筆を置く。

執筆:大嶋絵理奈(Facebookでフォロー

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2017 .07 .05
デカフェコーヒーの作り方
──既存の方法3種と未来の技術を紹介



 コーヒーに含まれるカフェインは、朝の眠気覚ましには有効だが、体質や、コーヒーを飲む時間帯によっては、夜眠れなくなってしまうことがある。そのような問題に対し、コーヒーの味を楽しむことができつつも、カフェインの影響を考えなくて良い「デカフェ」タイプのコーヒーがある。最近は日本でもデカフェを扱う店が増えてきており、カフェインに弱い人には喜ばしい傾向なのではないだろうか。

 ところで、このデカフェのコーヒー、一体どのように作られているだろうか。本当にカフェインが取り除かれているのか、一夜の睡眠がかかっている人には大いに気になるところだ。そこで、この記事では、デカフェコーヒーがどのように作られているかを解説してみたい。

現在のデカフェ技術

 まず前提として、デカフェのコーヒーは、コーヒーを淹れる時にカフェインを抜いているのではない。カフェイン成分が取り除かれたコーヒー豆を使って、コーヒーを淹れているのである。現在、コーヒー豆からカフェインを取り除くには、主に3つの方法がある。

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◎有機溶媒で除去する方法(直接法)

 もっとも歴史のある方法は、溶剤を使ってカフェインを取り除く方法である。

 コーヒー豆の中には、水に溶けやすい成分と油に溶けやすい成分が含まれている。カフェインは水にやや溶けにくく(水の温度を上げていけば溶けやすくなる)、どちらかといえば油の側に溶けやすい性質を持っている。その性質を利用して、油に溶けやすい成分が溶け込みやすい「有機溶媒」と呼ばれる液体を使って、カフェインを抽出する方法がある。

 この方法は1903年に開発され、これまでに改良が重ねられてきた。現在では、安全性を考慮して、「ジクロロメタン」という有機溶媒にコーヒーの生豆を漬けてカフェインを抽出し、その後、生豆を加熱してジクロロメタンを蒸発させて抜いていく、というやり方でカフェインが除去され生豆が作られている。

 こちらの方法では、カフェインを96〜97%ほど取り除くことができる。ただし、やはり”有機溶媒”や”ジクロロメタン”といった、「いかにも化学物質でーす☆」という類のものが食品に使われることに対して抵抗を示す人もいる。また、ジクロロメタンに溶けやすい他の物質も除去されて、風味に影響が出てしまうこともある。

◎水で除去する方法(間接法)

 そこで登場したのが、コーヒー豆を水に浸してからカフェインを抽出する方法である。

 先ほど、カフェインは水の温度を上げれば溶けるようになると述べた。この方法ではまず、温度の高い水に生豆を浸し、カフェインが溶け出した抽出液を得る。その抽出液にジクロロメタンを使ってカフェインを除去したあと、ジクロロメタンを蒸発させて抜く。最後に、カフェインとジクロロメタンが除去された抽出液に再び生豆を浸し、成分を生豆の中に戻す。

 つまりこれは、一旦豆の中身を出す→中身からカフェインを除く→中身を豆に戻す、という方法だ。

 こちらの方法では、カフェインを94〜96%ほど取り除くことができる。また、ジクロロメタンが生豆に直接触れないことや、カフェイン以外に取り除かれてしまう成分を減らすことができるメリットがある。しかし、それでもなお、薬品のようなものを使うこと自体に抵抗がある人はいるだろう。

◎二酸化炭素で除去する方法

 そして登場したのが、ジクロロメタンの代わりに、二酸化炭素にカフェインを溶かす方法である。

 二酸化炭素は私たちが日常的に吸って吐いたり炭酸飲料から摂取したりしている物質なので、これなら文句がなさそうだ。「でも、二酸化炭素は液体ではないじゃないか」と思われるかもしれない。二酸化炭素の固体であるドライアイスも、固体から一気に気体になってしまう。

 実は、二酸化炭素は、圧力をかけまくると挙動が変わる。圧力が通常の気圧の120倍ほどになると、「超臨界状態」という、気体のように動くことができる性質と液体のように物を溶かすことができる性質をダブルでもち合わせた状態になるのだ。

 水で湿らせた生豆に、この超臨界状態の二酸化炭素を用いることで、カフェインを二酸化炭素の中に溶かして除去することができる。カフェイン抽出後は、圧力を元に戻せば二酸化炭素は気体に戻って生豆の中から抜けていく。この方法では、カフェインをなんと99%以上除去することができる。

 どの方法を採用するかはメーカーにもよるが、超臨界状態を作る設備を整える余裕がある場合は二酸化炭素による除去法、ちょっと厳しい場合は水を使う間接法を使っているところが多いようだ。いずれの場合でも、カフェインは大方除去されていると考えて良さそうである。

バイオ研究が作る、未来のデカフェ

 既存の方法は、溶剤を用いたり、超臨界状態の二酸化炭素を作るために大型の装置が必要であったり、必ずしもベストであるとは言えない。そこで、別の方法を使ってカフェインを除去する方法が考案され始めている。

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◎カフェイン自体を持たないコーヒー豆を作る

 こちらは、種なしブドウのように、カフェインなしコーヒー豆を作ってしまえ、という試みだ。

 カフェインはコーヒー豆の中で合成されるが、合成はいくつかの酵素の働きによって進んでいく。言い方を変えると、これらの酵素が働かなければ、カフェインを作ることができないのだ。

 こうした視点から、奈良先端科学技術大学院大学の荻田信二郎教授は、コーヒーの木に「RNA干渉」と呼ばれる遺伝子操作の一種を用いて、カフェイン合成に必要な酵素が作られないようにした(*1)。こうしてできたコーヒーの木から取れるコーヒー豆には、理論上はカフェインが含まれないようになる。一筋縄でうまくいくわけではないが、もしこの方法が理想通りに行けば、取り除くべきカフェイン自体が含まれないコーヒー豆が得られるようになるのである。

◎カフェインを微生物に分解させる

 さらに、ビールに酵母を入れて発酵させるかのごとく、コーヒーに微生物を入れてカフェインを分解させてしまえ、というアプローチもある。

 発酵食品をはじめとして、食べ物の世界では微生物の力が有効利用されるケースが多く見受けられる。カフェイン除去においても、微生物が活躍するかもしれない。

 カフェインを、合成ではなく、分解する酵素が、Pseudomonas putidaという種類の微生物のいくつかから見つかっている(*2)。そこで、この微生物自体を抽出後のお茶に入れてカフェインを除去する実験が行われたが、その微生物の持つ別の物質が有害であることがわかった。現在では、その心配をなくすために、カフェインを分解する酵素だけを取り出して酵素を直接働かせたり、遺伝子組換えによってその酵素を酵母菌などの無害な菌に作らせてカフェインを除去する研究が進んでいるようだ。

 これらの方法はまだ実用化までの課題が多く、実際の製品になるまでには時間がかかるようである。しかし、カフェインだけを選択的になくしたり分解することは、他の風味に影響を与えないことを意味する。これらの研究が進んでいくことで、通常のコーヒーと遜色ないおいしいデカフェコーヒーが味わえるようになるかもしれない。

執筆:大嶋絵理奈(Facebookでフォロー

参考文献
*1 Application of RNAi to confirm theobromine as the major intermediate for caffeine biosynthesis in coffee plants with potential for construction of decaffeinated varieties.
*2 Genetic characterization of caffeine degradation by bacteria and its potential applications

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